校内研究

1 研究テーマ
     主体的に学び、思いや考えを深め合う児童の育成
   ~主体的・対話的で深い学びを導く指導の育成~

2 テーマ設定の理由
 小学校で新学習指導要領が全面実施となって3年が経過した。子どもたちが「何をどのように学び、何ができるようになるか」といった視点に立ち、新しい時代に求められる資質・能力を育むことが重視されている。全ての教科において育成する資質・能力は、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」という3つの柱で整理され、それらを育成するために「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められている。また、子ども達が学びを通して身につけていく資質・能力は、教科の学習で問題を解くことだけではなく、学校生活全てを学びの場として捉え、目の前の事象を乗り越えたり将来を切り拓いたりしていくために、自分で考え、選択し、行動できるように自分自身に主体的に関わっていく力を身につけていくことが大切である。
 中央教育審議会答申の「令和の日本型学校教育」では、GIGAスクール構想によるICTの効果的な活用、教科担任制などが示され、教育を取り巻く環境は大きな変換期にある。本校でも、昨年度、高学年の算数科に教科担任制を取り入れ、その制度を生かした指導や、もたらす効果について、『複数教師による多面的な児童理解』や『教師の負担軽減』に焦点を当てて研究した。教科担任は専門性を生かした指導ができたり、学級担任は教科担任と連携することで児童理解を深めたり、生み出された時間で教材研究ができたりした。また、授業研究ではICTの活用を取り入れた授業も行われ、これからの時代にあった学習指導の在り方を考える機会となった。しかし、その効果を実感しつつも、検証という部分が不十分であった。また、全ての学年で研究授業を行い、互いに学ぶ事は多かったものの、事前の指導案検討を行う時間が確保できなかったため、指導計画を立てる段階から授業実践まで、授業者個人の負担が大きいという課題もあった。また、児童の実態に目を向けると、意欲的に学習に取り組む姿は見られるものの、自分の考えを表現するのが苦手であるとか、話や問題の意図を掴めないなどの課題は、どの学年でも挙げられ、それはCRT学力検査の結果からも伺うことができる。 
 そこで、今年度は、「主体的に学ぶ児童」の姿の中の、「思いや考えを深め合う」といった、自分の考えを持ち、表現し、交流し合い、深めていく姿に焦点をあてて研究を進めるため、研究主題を「主体的に学び、思いや考えを深め合う児童の育成」とした。また、研究主題にせまるためには、どのような児童の学ぶ姿を目指したらよいのか、どのような手立てが必要なのか、児童の実態をもとに日々の授業や指導を見直すことを主軸とし、副題を「主体的・対話的で深い学びを導く指導の工夫」とした。

3 研究仮説

 児童の「主体的・対話的で深い学び」の姿を具体的にし、そのための手立てを工夫した指導を行うことで、「主体的に学び、思いや考えを深め合える児童」を育成することができるだろう。

4 研究内容
(1)児童の実態把握と課題分析
(2)授業づくり
(3)ICT活用研究
(4)学習の習慣化 (9年間の家庭学習の手引き配付),学びノート、学習規律、生活規律)
(5)環境整備(校内の学習環境の整備、保護者・地域への発信)
(6)教職員間の連携・協働
(7)六郷中学校との連携

5 研究方法
(1)児童の実態把握と課題分析
   ・CRT学力検査結果分析 ・全国学力学習状況調査自校採点作業及び結果分析
   ・特別支援教育学習会 ・NINO数研式認知能力検査
(2)授業づくり
   ・指導案検討 ・授業研究 ・ミニ授業研
(3)ICT活用研究(ICT活用部会)
   ・ICT活用実践 ・情報共有化  
(4)学習の習慣化(学習環境部会)
   ・学びノート ・学習規律  
(5)環境整備(学習環境部会)
   ・校内の学習環境の整備 ・生活規律 ・保護者、地域への発信
(6)教職員間の連携・協働
   ・日常的な授業参観「フラッと参観」 ・研究会を明日に生かすシート『明日イキTweet』
(7)六郷中学校との連携
   ・合同研究会 ・グランドデザインの見直し 
   ・教科ペアまたはフリーでの授業参観 ・専門職ペアのリーフレット活用
   ・出前授業 ・9年間家庭学習の手引きの活用

6 成果等の把握と検証の手立て
(1)実施する調査
  ①CRT学力検査「算数・国語」
  ②学校評価
  ③授業評価
(2)実施日程
  ①前年度の2月と,今年度の2月の結果とを比べ,変容を見取る。
  ②3学期
  ③各授業研究
(3)調査結果の活用方法
  ・調査結果については,職員全体で分析した後,個々の事後指導に役立てる。
  ・学級懇談会などで各家庭への資料として活用する。